動植物を愛でる〜アウトドアスポーツも〜

生物に「どうしてお前はそうなんだ?」と問いかける。

本、読み終えた。森口満『コケの謎ーーゲッチョ先生、コケを食う』

 

コケの謎―ゲッチョ先生、コケを食う

コケの謎―ゲッチョ先生、コケを食う

 

 

 みなさんはコケを見ていますか?

道端に生えている苔(コケ)です。
都会を歩くとおそらく、ホソウリゴケやギンゴケ、チュウゴクネジクチゴケといったものを見ると思います。
わからないですよね。
でも図鑑を見ると違います。
そして生態が面白い。
 
コケは以下の3要素があります。
  1. 根がない。
  2. 水や栄養を運ぶ維管束がない。
  3. 葉からの蒸散を防ぐクチクラ層が未発達。
 
原始的な植物、それがコケなんです!!
ギンゴケは南極の昭和基地近くにも生えているんですよ!
しかも日本のものとDNA的にも近いらしい……。
実際に確かめられたわけではありませんが、コケの胞子が南極まで飛んだのかと考えると面白い!
 
 著者、森口満さんはゴキブリやドングリが好きなようですが、コケ好きの人に出会い、どんどんコケの世界に魅了されていきます。
その過程を描いたのがこの本です。
 
 この本には虫やキノコといった生物のマニアが登場します。
誰もかれもが、それにしか興味がないという、いわゆる「ガチ」な人たちです。
普通の人は森を見て楽しみますが、彼らは虫やキノコ、コケを見て森を感じ、楽しみます。
遠回りのように思われるかもしれませんが、このほうがよく理解できます。
 
 そういう私もその一端と言ってもいいと思います。
こんなエピソードがあるからです。
私が熱帯魚飼育からハマりだしたものがあります。
陸には植物、水中には魚がいるという環境を1つの水槽で完成させるというアクアテラリウムがそれです。
コケはアクアテラリウムを彩るのにスタンダードな選択肢でした。
そのときから、「いろいろなコケがあるもんだ。自然調達できるものはやろう」と街中や山中に分け入っていくことになります。
そうしたらもう止まりませんでした。
 
「これはコケ?藻?シダ?え、これがコケ?でもこっちはシダ……面白い!!!お、フデゴケだ!うわ!!ヒノキゴケの群落だ!!!おっきい!!ジャゴケながーい!!ああああそこp:おtれあ:pgr:pv!!!あの窪地えrげr:gぽmb:えr!!!………云々」
 
 いつしかアクアテラリウムをする一方で、コケも育てるようになり、採集して同定作業(名前を突き止める作業)にも没頭し始めるようになります。
これはそんなときに起きた事件です。
ハイゴケはすぐにわかりました。
しかしヒメハイゴケが見つかりません。
その間もせっせと他のコケを採集します。
そしてようやく山中の広場で半径5メートル以内を徘徊すること1時間以上……。
発見!!!!!!
似ているようで全然違う!!!
 
ヒャッホー!!!!!!
 
 
 
そんなとき、こんな声が。
「あれ絶対ヤバイ奴やって…」
見やると、女子高生くらいの背丈の女2人が登山スタイルでこちらを見ている。
私はといえば、左手には箱、右手にはハサミ、ポケットからはフライパン返しが突き出ている。
そして興奮したニヤリ顔……。
そりゃそうなるわ、と(笑)
 
 生き物のマニアは家もマニアックです。
1つの部屋が趣味で占拠されますし、財布も軽くなっていきます。
知り合いになるには注意です。
 
 しかしこの本に出てくる人はみなさん親切です。
ただ興味がないことには冷めた視線を浴びせるだけです。
それがちょっと強いだけです。
 
 最後に言いたいことがあります。
コケはしっかりと処理をすれば、家の中でも育てることができます。
野外ならなおさらほったらかしでOKです。
緑を置きたいけど、ズボラだし。
という方は、なんでもいいので書店にあるコケの本を見てください。
あるいは山とかでコケを見つけたら触ってみてください。
コケが好きな人の気持ちがわかるかもしれません。
 
本書のタイトルにもある通り、コケは一応食べられます。
死にはしません。
登山をされている方でしたら、オオミズゴケのてんぷらを食べた方がおられるかもしれません。
しかしそれは序の口です。
しかめっつらを直せないほどに、辛いコケ・苦いコケ臭いコケがこの世にはたくさんありますから。