これより自然界に入る!

生物に「どうしてお前はそうなんだ?」と問いかける。

スポーツ&キャンプ用品を買う人はもう少し自分で調べたほうがいい。

 

はじめてのキャンプ入門 (ブルーガイド・グラフィック)

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登山入門 (ヤマケイ・テクニカルブック登山技術全書)

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心配だから書くんだ

 アウトドア製品も元は簡単な作りだったが、アウトドアメーカーが連なり、技術が向上してより便利なものが多くなった。
その反面、一見すると何に使うのかわからないものも多くなった。
 そこでメーカーは自社メーカーの製品を説明できる証明とするアドバイザー資格制度を導入した。
スノーピークやコールマン、あるいはサポーターのザムストなども資格の付与を行っている。
だが人手不足もあって、そこまでに至る従業員は数えるほどしかいない。
 必然的にそこまで詳しくない店員に聞くことがほとんどとなる。
人手不足が小売業界で問題になっていることは社会常識として小耳に挟んだことはあるだろう。
そんな中、店員にずっと頼るのはどうかと思うんだ。
災害に備えて備蓄するのと同じだ。
自分で蓄えなければならない何かはあるはずだ。
それは調べる努力、選択する勇気、それらを受け持つ責任だ。
もちろん店員側にも責任はある。
心配なんだ。本当に。
そんなことも知らずにやるの?という人は多い。
 
 
 

パッケージに書いてあることでも聞くってどうなの?

 段ボール型の箱に入ってる商品があるとする。
ということは前後、左右、上面底面の6面しか記載箇所がない。
なのに「あ、そこに書いてあったんだ」とか言うお客様がいることは珍しくない。
 また「~~加工って何?」と聞かれたときの私の脳内は「携帯持ってないの?」だ。
自分で調べることで自分で購買意欲を高め、自分で知識を貯める。
それが満足のいく買い物だと思っている。
それが自分のためになるし、知人等の助けにもなる。
 
 時間がないのだろうか?
いやいや趣味に割く時間はあるんでしょ?と思わずにはいられない。
私は店員に頼ることは基本的に自己責任を転嫁する行為だと考えている。
もちろん製品の中には専門性と値段が高すぎて、店員に頼らざるを得ないこともあるだろう。
そういうときは頼ってほしい。
必要ならメーカーに問い合わせることも平日なら可能だ。
しかしそれ以外のことさえ逐一自己責任の転嫁をするというのは感心しない。
 
 
 

店員に全て聞く=自己責任

 その判断をしたのはお客様であるあなただ。
私は別にサボりたいわけでもないし、知識が全くないわけでもない。
単に心配なだけ。
楽しむには勉強する必要がある。
「たくさん調べたんだ。あれこれこうだったけど、これはこうなの?」
みたいな手助けしたい人は意外にいない。
「あ、この人は本気だな」と思ったら製品情報をただ垂れるよりも、プラスしてリアルでのことも多く教えたくなる。
仕事云々の前にそれが人情というものだ。
 仕事でも「教えてください」一辺倒の人より、自分の意見を知らないながらでも言う人のほうが育てがいがある。
また意見を言ってもらうことで適切な返しができる。
お客様も仕事をしているでしょう。
そういう人のほうがいいでしょう。
公式HPの製品ページに書いてあることでも聞いてくるってどうなのだろうか。
 
 

100%の信頼はありえない

自分の格言だけど、「情報においてはプロでも100%の担保はするな」
その人の身体・精神においても製品レビューは左右される。
だから言葉のみで信用を担保できたなんてことはあり得ない。
 もちろん、様々な人の意見も経験的に知ってる。
だから信用度は一定程度あるかもしれない。
だがそれまでだ。
確率的な話なんだ。
 
 

個人差と意識差

 例えばゴアテックスのレインウェアで蒸れたとクレームを受けた店員が登山専門店ではいるらしい。
ゴアテックスは水蒸気は外へ出るが、体から分泌された汗という液体が出ていくわけではない。
必ず液体から気体へ変わるためのタイムラグが生じる。
 だからゴアテックスの弱点は内側が濡れたら、乾くのが一般的な他の素材よりも遅い。
もっと言えば、ゴアテックスが活躍するのはある程度寒い環境だ。
熱気や湿気を逃すベンチレーション(ピットジップ)が備わっているウェアがあるのはそのためでもある。
防水性というのは濡れるのが嫌というより、体を濡らすことで冷えるのを避けるためというのが前提だ。
透湿性は運動により体から発せられた汗による熱気や湿気が、ベースレイヤーからミドルレイヤーへと移行。
そして最後にレインウェアなどのアウターへと移り、外に出すためにある。
 
 この場合、もし店員があまり汗をかかない体質だったらゴアテックスを絶賛しているかもしれない。
もしそうなら自分で効果を確かめるしかない。
あるいは他の店員に聞いて回るか、多くのブログやサイトをネットサーフィンするくらいしかその場でできることはない。
あるいは防水透湿性についてあらかじめ勉強してくるかだ。
店内にそういう表記があるかもしれない。
だが最近は景品表示法などの関係で手書きPOP禁止などの店が多い。
その場に行けば詳しい情報があるというのは期待しないほうがいい。
 
 

接客における信用とは

 接客する側の信用するとは「相手と感情的・知識的に近い距離にいるように尽くすこと」だ。
対して接客を受ける側の信用とは「その距離が近いことを認めるかどうか選択すること」なのだ。
抜け落ちているのは、選択するにも知恵と経験と勇気が必要だということだ。
相手は仕事としてやっているからといって、全てを委ねるのは間違っている。
 
 私は登山ショップで誰かが店員に質問していたら聞き耳を立てるようにしている。
簡単だが、知恵によって経験を得た例だ。
誰でもそういう経験はあるだろう。
 だから「明らかに違うじゃないか!」というクレームは、明らかに自分が不足した信用度で選択した(買った)と認めることに他ならない。
私は少なくともそういう部分があると思う。
 
「学習した。さぁこれどうしよう」
と私は考える。
それが普通だと思っている。
返品する人をいつも不思議に思う。
取り返せる自己責任を主張しに来ているように思えてならない。
 
 

わからなかったものがあるのは仕方ないけど

 さて
「店員であるお前が客に責任転嫁してんじゃねぇか。しかもお前は仕事だろうが。文句言わずにちゃんとやれ」
という文句もあるだろう。
そうじゃない。
単に心配しているだけだ。
いつもお客様に付きっきりになれるわけじゃないから。
 もしそれが望みならキャンプならグランピング、登山ならガイド、他のスポーツならコーチを雇えばいい。
私も「やるなら(調べられることは調べて)ちゃんとやれ」と言いたい。
でも言えない。
店員だから強く言えない。
 連帯保証人のように考えてほしい。
連名してお互いに責任を持つ。
それが客としての心構えだと思う。
 
 ネットは間違っていることもあるし、時代遅れになっていることがヒットすることもある。
言えるのは同じ情報を調べまくっていれば、共通項が必ず発見できるということだ。
you tube ならあなたよりも先に買った人のレビューが視聴できる。
誰でもできる。
店員もできる。
あなたにもできる。

 

課題解決のための情報収集 (21世紀スキル)

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