2017/11/10放送の『金スマ』におけるハチ駆除の方法について
お風呂から上がるとテレビ番組でハチ駆除をしていた。
ハチの子を食べるために、巣に対して薬剤使用はしないようだ。
使っていた道具は防護服、脚立、ヘラ、ゴミ袋。
ぶっちゃけ道具が全然足らない。
薬剤を使用しなくてもできることはたくさんある。
薬剤を使用せずにできるだけ安全に巣を取り除く方法は以下の通りだ。
- 活動が遅くなる、あるいは気温が下がる夜に行う
- 脚立を使って巣の近くまで行ったら、巣の出入り口に草などを突っ込む
- ゴミ袋を巣にかぶせる
- ゴミ袋が巣の上部までスッポリ覆えたらノコギリを使用して巣を切除する。手でゴミ袋の口を絞れていたら、なお良い
- 取り損ねた巣の部分をノコギリやヘラなどで完全に削り落とす
- すぐにゴミ袋の口を縛る
- 周辺をうろつくハチ、および戻りバチを駆除する
- ゴミ袋を丸ごと冷凍庫へ入れる
以上が安全に薬剤不使用で巣を取り除く方法だ。
では番組内ではどうだろう。
元害虫駆除業で働いた経験から気になった点を挙げてみよう。
- ノコギリを持っていない。ハチの巣は非常に頑丈で、ヘラなら勢いよく殴りつけるようにやらないと取れないだろう。事実番組内での切除もかなりの部分が家屋の木材に残っていた。根元が硬すぎて諦めたのだろうと容易にわかる。樹脂を練り固めたものなのだから、硬くて当然である。ハチもどこを強い強度にすればいいかわかっているのだ。
- ハチを全て駆除しきれていない。番組内では巣をゴミ袋に入れ損ねて落下した。結果大量のハチが周辺にバラまかれた。キイロスズメバチは非常に好戦的で危険である。その後巣周辺のハチに薬剤を噴霧していたが、ハチをバラまいている時点で効果が薄い。
- また、戻りバチと言って、駆除している最中に帰ってくるハチもいる。巣を切除してもその欠片が少し残っていたら、ハチたちは協力してまた巣作りを始める可能性が大きい。薬剤噴霧中にナレーターが「家主に危険が及ばないためにも許しておくれ」みたいなことを言っていたが、本当ならもう手遅れである。時には巣を切除してから30分くらいハチが戻ってこないように薬剤を噴霧し続けることもある。それらができて本当の駆除である。
つまり、本当なら周辺住民に多大なる被害が出ていた事案であり、非常に危険である。
命をかけた?慰謝料をかけた、の間違いではないのか?
「専門業者云々」とテロップが流れていたが、その専門業者は無責任なことこの上ないと思う。
「駆除程度なら大丈夫」
そういって死亡した事案は仕事をしている最中でもたくさん聞いた。
せめてテレビ番組くらいはしっかりとした方法を見せてくれ。
『鉄腕ダッシュ』のほうが何百倍もよかった。
言う必要もないだろうけどね。