本、読み終えた。監修:大林延夫『里山の昆虫 ハンドブック』
目次
春
夏
秋
冬
昆虫以外の小動物
昆虫図鑑は2通りあります。
それは、
- 学術研究型
昆虫標本のような写真が使われ、解説で同定作業(学名まで判明させる作業)がしやすいもの。学術的な専門用語が見受けられる。
- 読書型(本書)
実際に生息している様子を写した写真が使われ、解説は生息環境や面白い生態などを記したもの。読んでて楽しい。
この本は上記の2に特化した本です。
昆虫は出現する時季毎(春夏秋冬)に分けて分類されており、子どもにも優しいと思います。
個別の昆虫を見ると自然の背景とともに生体を写した写真と簡単な生態が記されています。
解説は学術的な専門用語もよく出てきますが、昆虫の生態を理解するためという目的で止められています。
また用語解説もしっかりと記されています。
昆虫初学者にとって十分な知識量です。
それに加えてこの本は面白い特徴があります。
それは、
- 五七五の俳句がところどころにある。
虫に関連した俳句が散見されます。虫にも季語があるからでしょうか。
読み手のイメージを想像すると楽しいです。
- 監修者の思い出が語られる。
びっくりした思い出や、子どもが昆虫を使った遊びなどが時々記されています。
大人が読むと「あぁ、やったやった」と振り返ることができます。
- 最後に里山の説明と昆虫写真の撮り方がある。
里山が人間によって作られた歴史と、人間によって荒廃することになった里山の現状が語られており、昆虫世界の実情を簡単に知ることができます。
そして昆虫写真の簡単な撮り方も掲載されています。
高くないカメラでもきれいに撮影する方法が記されており、昆虫とかかわる一歩を後押ししてくれます。
リラックスして読める
この本を一番活用できるのは、野外に行って昆虫を発見してから「これはなんだ?」と言って調べる時だと思います。
あるいは家でリラックスしながら手軽に昆虫に関連した本を読みたい時です。
子どもも大人も読んで楽しい、活用して楽しいのが本書です。
255ページで約400種
ただ、里山の昆虫と銘打っていることからも察しがつくように、一般的に見かける昆虫全てを網羅しているわけではありません。
それは総ページ数が255だということからもわかります。
もっと知りたければ他の文献を個別に集めるしかないと思います。
楽しい読み物
とはいえ、この本は上記に記している通り、初心者でも楽しく昆虫を知ることができる本として認識すべきです。
そしてその目線で見たとき、この本はとても大きな価値があるものだと思います。